炎症性腸疾患
(IBD: Inflammatory Bowel Disease)とは
私たちの体には免疫という防御システムが備わっていて異物の存在を察知すると体内から排除しようと活動します。この時に発熱や痛みなどの反応が起こりますが、この反応を炎症と呼びます。そして、この炎症が腸に過剰に起こる病気を炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)と呼びます。
潰瘍性大腸炎とクローン病に代表されるIBDは、10~30代の若い世代に多くみられます。患者数は年々増加しており、最近の調査によれば潰瘍性大腸炎は22万人、クローン病は7万人いると報告されています。
IBDの原因はまだ解明されていませんが、
遺伝的要因や食事、喫煙、ストレスなどの環境的要因、ほかに腸内細菌、免疫異常などの様々な要因が組み合わさって発症し、慢性に経過します。
血縁関係にある人に発症する場合もありますが、
「遺伝する病気」ではありません。
どちらも現在のところ、
まだ完治させる内科治療法がないことから厚生労働省から「難病」に指定されており、公費助成を受けることができます。
適切な治療を続けてコントロールがうまくできれば、健康な方と変わらない日常生活を送ることが可能です。