医院名:大堀IBDクリニック 住所:〒155-0032 東京都世田谷区代沢1丁目27−3 電話番号:03-6450-8200

消化器内科

消化器内科

当院の消化器内科では、食道・胃・腸といった消化器を専門的に診療しています。
下痢や便秘、胸やけや膨満感、急な腹痛など日常的な症状から、胃潰瘍、大腸がんなどまで、専門医が丁寧に診ていますので、気になる症状があったらお気軽にご相談ください。

消化器内科の診療をおすすめする症状

  • お腹がゴロゴロして調子が悪い
  • 胃が痛む
  • 胸焼けや胃もたれが起こる
  • 吐き気がある
  • 便秘や下痢になりやすい
  • 血便や黒い便が出た
  • 食欲がなくなってきている
  • ダイエットしていないのに急に体重が減ってきた
  • 顔色の悪さを指摘された など

主な消化器疾患

食道

逆流性食道炎

胃の中の胃酸や食べたものが逆流して食道に炎症を起こす病気です。胃液は食べ物を消化し、一緒に侵入してきた細菌などを殺菌するため強い酸性ですが、胃には粘液があって胃酸から守られています。ところが食道には胃酸から守る粘液がないため、逆流した胃液に触れると粘膜が傷付き、炎症からびらん、潰瘍などが発生します。

逆流性食道炎の症状は、胸やけや吐き気が多く、胸の痛みや喉の違和感、酸っぱい液体がゲップと一緒に上がってくる呑酸、さらにしつこい咳などがあります。

逆流性食道炎が起こる原因は、加齢などによる逆流防止機能の低下、肥満や姿勢の悪さなどからくる胃への圧迫、脂肪の多い食事による胃酸過多などです。締め付けの強い衣類や大きな腹圧のかかる動作などがかかわっている場合もあります。

食道裂肛ヘルニアを起こしている場合もあるため、胃カメラ検査を行って食道や胃の状態を精密に観察し、症状に合わせて治療していきます。近年になって効果の高いお薬が登場しているため、薬物療法と生活改善で症状が緩和していきます。

食道裂孔ヘルニア

横隔膜は、胴体内部を胸腔と腹腔に分けています。食道は胸腔から腹腔までつながっていますから、横隔膜には食道が通る裂孔があります。本来、胃は腹腔にありますが、横隔膜の裂孔に胃の一部が入って胸腔側に脱出する場合があり、これが食道裂孔ヘルニアです。
裂孔は加齢とともに緩くなっていき、腹部に過度な圧力がかかると脱出しやすくなり、それが発症の原因となります。肥満や悪い姿勢、喘息、締め付けのつい衣類、大きな腹圧のかかる動作などは高リスクです。

食道がん

食道がんの発症は、粘膜にある細胞ががん化することで起こります。60代に発症のピークがありますが、40代から発症リスクが高まります。男性に多く、危険因子として喫煙や飲酒が指摘されています。
食道の近くには太い血管がいくつも走っており、リンパ節も多いため、転移しやすい特徴があります。食道がんは初期症状がほとんどなく、進行するにつれて飲み込む際の違和感が現れ、しみたりチクチクする感じや、咳、血痰、声のかすれなどが起こります。やがて、体重が減少し、胸や背中への痛みが現れてくる場合もあります。

早期に発見されて粘膜内にがんがとどまっている状態であれば、内視鏡による切除が可能です。内視鏡切除だけでは不十分な場合には、食道の一部を切除した上で、周辺のリンパ節も切除して転移を防ぎます。放射線療法や抗がん剤による化学療法が用いられる場合もあります。

胃ポリープ

胃の粘膜にイボのようなできものがある状態で、形状や特徴などによって胃腺腫、胃底腺ポリープ、過形成ポリープに分けられます。
ほとんどの場合、症状がなく、がん化する心配がない良性なものですが、胃腺腫と過形成ポリープはまれに出血を起こし、がん化のリスクがあるものやがんとの鑑別が難しいものもあるため、内視鏡検査で組織を採取して生検を行う必要があります。

【治療】

胃底腺ポリープの場合、経過観察や治療は不要ですが、胃腺腫と過形成ポリープで出血の原因となるものやがん化のリスクがあるものなどは内視鏡検査による生検を行います。場合によってはポリープの切除が必要になることもあります。

慢性胃炎

慢性的な炎症が起こっている状態で、ほとんどのケースにピロリ菌感染がかかわっています。ピロリ菌は胃がん発症リスクを高めるため、慢性胃炎がある場合には、ピロリ菌の感染有無を検査で確認し、感染があるようでしたら除菌治療を受けてください。

萎縮性胃炎

慢性胃炎が長期にわたり、胃の粘膜が萎縮している状態です。ほとんどの場合、無症状で萎縮が進んでいきますが、胃もたれなどの自覚症状がある場合もあります。萎縮が進むと腸上皮化生という状態になり、胃がんへと進展する可能性が出てきます。
胃粘膜の状態に合わせて、胃酸分泌制御、胃の働きを促進、胃粘膜保護などの働きを持った薬を服用して治療を進め、ピロリ菌感染があった場合には除菌治療も行っていきます。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

ピロリ菌感染やストレス、解熱鎮痛薬(NSAIDs)の服用などにより、いや十二指腸の粘膜が胃酸によってえぐられ、欠損し、潰瘍が発生している状態です。
胸やけ、膨満感、みぞおちや腹部の痛み、食欲不振などが症状として現れますが、潰瘍の程度や場所などにより症状が変わります。潰瘍からの出血による吐血や下血、黒っぽい胃タール便などが起こる場合もあり、胃に穴が開く穿孔が起こる可能性もあります。
潰瘍の状態によって薬を変えて治療していきます。ピロリ菌感染がある場合には除菌治療も必要です。また、出血や穿孔を起こしている際には、内視鏡などによる手術が必要になる場合もあります。

胃がん

胃の粘膜内の細胞ががん細胞に変化して発症し、自覚症状がないまま大きくなっていきます。日本人では2番目に発症が多いがんであり、発症リスクは40代から上がりはじめ、50~60代は発症のピークとなっています。早期胃がんを見つけるためには定期的な内視鏡検査が必要です。
粘膜上皮から仮想へ達するまでの早期胃がんであれば、内視鏡で切除可能です。

さらに深い位置までがんが達してしまうと進行がんとなり、他の部位に転移する可能性が高まります。また、がんが胃の外壁を突き抜けて腹膜へと転移した場合、腹膜播種といってがんが腹部全体にバラバラの状態で拡散してしまうこともあります。進行がんでは、食欲不振や嘔吐、急な体重減少、全身の倦怠感、吐血、黒いタール状の便が出るなどの症状が現れる可能性があります。

早期胃がんは、身体への負担が比較的少ない内視鏡による切除が可能です。ただし転移の予防が必要な場合には、周辺のリンパ節とともに切除しなければならないケースもあります。進行胃がんの場合は、状態により適応する手術が変わります。また手術が不可能な場合には、化学療法を中心にした治療が行われます。

アニサキス

アニサキスは魚介類に寄生する寄生虫です。生の魚介類を食べることでアニサキスが胃に入り胃の粘膜を傷つけてアレルギー症状を起こすことで、急激にみぞおちの痛みや嘔吐が起こります。
寄生されているのは、カツオやサケ、イカなどに多いのですが、よく観察すると肉眼でも見えるサイズなので。ブラックライトなどを使った丁寧な処理を行っている場合には感染を大幅に抑えられます。
痛みなどの症状がとても強いため、内視鏡でアニサキスを摘出します。

大腸

潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜の組織が傷付いて欠損やびらん、潰瘍を起こす炎症性の病気で、難治性から厚生労働省の難病に指定されており、医療費助成制度の対象になっています。発症は20~30代と若い世代に多く、症状が好転と悪化を繰り返します。
はっきりとして原因はわかっておらず、自己免疫疾患と考えられています。

血や粘液の混ざった下痢や腹痛といった症状があり、貧血や発熱、体重減少などが起こる場合もあります。
病気が好転している状態を長く維持することが治療の主目的であり、できるだけ好転している寛解期に導いた上で維持する必要があります。

薬物療法と食事療法によりコントロールすることで、普通に社会生活を送っていけるケースもあります。5-アミノサリチル酸製剤やステロイド剤、免疫抑制剤を使いますが、生物学的製剤を用いる場合もあります。なお、10年以上改善が見られない場合や、大腸がんを併発した場合には大腸摘出手術も検討されます。

過敏性腸症候群(IBS)

突然の下痢や腹痛、便秘、腹部膨満感、ガスが出やすいなどの症状が慢性的に続き、検査で大腸に異常が見つからない場合、過敏性腸症候群と診断されます。ストレスが原因となっていると見られていますが、はっきりとした原因はわかっていません。原因がわからず、腸の異常もないことから、腹痛や排便の期間、頻度、内容などに関する世界的な基準を使った診断を行います。
下痢や便秘などの慢性症状を緩和する薬物療法を中心に、生活習慣などの改善の他、ストレスの解消を目的とした治療などを行う場合があります。

大腸ポリープ

大腸の粘膜にできたイボのようなできもののことで、腫瘍性と非腫瘍性のポリープに分けられます。大腸ポリープの約8割は腫瘍性の中でも大腸腺腫と呼ばれる種類のものであり、大腸腺腫は放置すると大腸がんになる可能性があります。ポリープの段階で発見できれば、切除することで大腸がん予防につながるため、定期的な内視鏡検査が有効です。また、内視鏡検査中にそのままポリープを切除可能です。切除したポリープは回収し、必要な場合には生検を行います。

大腸がん

ほとんどの大腸がんは、大腸ポリープが大きくなってがん化することで発症しています。発症リスクが高まるのは40代で、ピークが60代になっています。近年になって日本人に増えてきたがんであり、今後もまだ増えていくと見られています。早期には症状がありませんが、進行によって下痢や便秘、血便や下血といった症状が現れはじめ、お腹の張りや残便感、腹痛、急な体重減少なども起こります。早期に見つけることができれば身体への負担が比較的少ない内視鏡による切除が可能であり、完治も期待できるため、定期的な内視鏡検査が有効です。

ただし転移の予防が必要な場合には、周辺のリンパ節とともに切除しなければならないケースもあります。進行胃がんの場合は、状態により適応する手術が変わります。また手術が不可能な場合には、化学療法や放射線治療などを用いた治療が行われます。